今回の記事は、前回ご紹介させていただいたDin's Curseと同じデベロッパーの作品、Zombasiteです。
Din's Curseが概ねハクスラだけに特化していたのに対し、Zombasiteはもっと複雑な構造をしています。対ゾンビに備えた外交、探索、資源の採取やダンジョンの攻略、自分のキャラクターの育成など、やるべきことは多岐にわたります。
それを一つずつ解説してゆこうと思います。
キャラクターベースのストラテジー
このゲームは、4Xストラテジーではありませんが、他の派閥の指導者と外交を行い、同盟を組んだり、もしくは戦争をしたりします。それはゾンビ勢力に対抗するためでもあるのですが、普通この手のゲームでは、プレイヤーキャラクターは存在しないか、もしくは概念的なもの、シンボルでしかないことが多いです。
しかしZombasiteでは、普通のハクスラと同様に、装備欄と能力値のあるRPGとしてのキャラクターを作成し、それを動かすことになっているのです。
このように、普通にRPGです。
拠点には掲示板があり、そこでクエストを受領できます。これは自分のレベルを上げるために必要であるのと、他の勢力との関係を改善するのにも役立ちます。またクエストを受けなくても、条件を満たしているものは自動的に達成になるので、暇を見ては掲示板を見に行くといいかもしれません。
外交
ゲームを開始してしばらくすると、ドアをノックする音とともに、外交アイコンが表示されます。それをクリックすると、最初は挨拶(いきなりケンカ腰の勢力もいますが)から始まり、画面右下のメニューから外交が選べるようになります。
贈り物をしたりして相手の機嫌を取りつつ、不可侵条約から始まり、同盟を組んだりします。もちろんケンカを仕掛けて相手の勢力を叩き潰してもいいですが、もちろんそのためには軍事力がいります。それは後述します。
探索に征こう
さて、前説でだいたいゲームの概要はお伝えできたと思います。
Zombasiteは椅子に座って判子を押したり、サインをしたりするゲームではありません。派閥の指導者みずから、冒険に出かけなければならないのです。
画面は森ですが、他にもいろんなバイオームがあります。
宝箱もたまにあるよ!
本作というかSoldak Entertainment製のゲーム全体の基幹部分をなすのは、ハック&スラッシュ・ベースのゲームシステムです。これは本作においても採用されており、プレイヤーは拠点の外に出て、ゾンビを含む敵対するものすべてと戦います。そして経験値を貯め、レベルを上げて、敵から得たアイテムを身につけて、どんどん自分の分身であるキャラクターを強くしてゆくわけです。
フィールドにはみんな大好きなダンジョンもあります。ここが本作がストラテジーの皮をかぶったハクスラであるが所以です。中にはモンスターや宝箱があったりするので、余裕があれば探索するといいでしょう。中立のNPCと出会うこともあり、彼らを自分の派閥に勧誘することもできます。仲間は多いほうがいいので、積極的に誘ってゆくとよろしいでしょう。
拾って持ち帰ったアイテムは、もちろん自分で装備したり、味方に渡して戦力増強に努めてもいいです。自分にとってはいらないアイテムでも、仲間のNPCは必要としているかもしれませんよ。
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余談ですが、外交要素はおまけとはいいませんが、本作はたとえゲームオーバーになっても、キャラクターのデータだけは、次の世界生成のときに引き継ぐことができるため、このハクスラ部分、キャラクターの育成とアイテムハックこそが、Zombasiteにおけるゲームプレイの主目的であるといえるでしょう。つまり、冒険を繰り返して、どんどん強くしましょうということです。なぜなら、外交も常に穏便に済むとは限らないからです。時には力で相手を制圧しなければなりません。自分にその気がなくとも、攻め込まれることもあります。そのときに有利にことが運ぶように、常日頃から自分のキャラクターを鍛えてゆく必要があるわけです。もちろんゾンビと戦うためにも!
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ゾンビについて
本作におけるマップはプロシージャル生成なので、外に出ていきなりゾンビがいることもありますし、普通のモンスターしかいないこともあります。また、ゾンビと戦うことにはリスクがあります。宿主をゾンビ化する寄生生物に感染することがあるからです。できれば戦いたくない相手ですが、避けても通れません。
最初から抗感染薬は数本持ってはいますが、数には限りがあるので、大切に使いましょう。もちろん後で手に入れることもできますが、基本的には貴重品です。
フィールドにはいろんなモンスターや、他派閥の探索者たちもいます。彼らと協力してもいいし、戦いを仕掛けてもいいです。ただ、最初はあまりむやみに戦争をしないほうがいいとは思います。なぜならゾンビ以外に敵を増やすと面倒だからです。
冒険とはたぶんにストレスである
このゲームをプレイしていると、多分、無自覚なマイクロストレスを感じることが多いと思います。その理由は「思い通りにいかないから」です。ですが、思いどおりに行く冒険などありはしません。フロドの旅のように。
その理由は後述します。
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1.ゾンビの脅威
本作Zombasiteでは、常に動的に世界が動いています。特にゾンビ化した種族が、絶え間なく勢力の拡張をしているため、自分のペースで冒険を進めることが難しいです。なぜなら、ゾンビとの戦いでいちばん嫌な「感染」をするからです。なるべくなら、これを避けたい。
そして、Zombie Threatという「脅威度」のゲージが、少しずつ上昇し、これが上がるにつれて、ゾンビたちの拠点への襲撃の危険性が高まります。これを止めることは難しく、なるべく上がらないように努めつつ、冒険も進める必要があります。
2.攻め込まれる危険
本作における拠点は常に安全とは限りません。
ゾンビ以外にも敵のモンスター勢力たちが、たまに襲撃をしてきます。そのため外に出ているときに襲撃が起こると、急いで拠点へ引き返す必要に迫られます。
3.NPCたちの生活
拠点に住むNPCたちにも、ステータスがあり、アイテムも個別に持っています。
そして彼らにも人間関係というものがそれぞれあり、時にケンカをしたりもします。下手をすると殺し合いに発展してしまうこともあり、たまに面倒を見てあげなければなりません。もちろん放置していても問題はないのですが、味方が減る(特に有用なスキルを持つ人材)のはあまり良くないことですので、適度に構っておくのがいいかもしれません。
4.ままならない他勢力との外交
好戦的な勢力もあれば、温和な勢力もありますが、彼らも相性というものがあり、互いにいがみ合ったりします。そのため仲を取り持ったり、もしくは煽って互いに戦いをけしかけたりさせることになりますが、いずれにしても自分の勢力だけでゾンビたちと戦うのは難しいため、適当に彼らと協力してゆく必要があるのは確かです。
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主にこの4点が、ゲームをスムーズに進行させるのを阻むストレスの原因です。ただ、それを否定してしまうと本作のアイデンティティに関わるので、わたしはこれが個性なのだと肯定的に捉えることにしています。まあ慣れたらこれも面白い要素なのですが、最初はやるべきことの多さに戸惑うかもしれません。
とりあえず、今回は、これで終わりです。
まだ詳しく書くべきことは多々あるのですが、情報量の多いゲームであるため、記事を何回かに分けて書いてゆこうと思います。