Majotta’s Workshop

インディゲームのいろいろと、ちょっとした創作

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

STORMWORLD #25

第二十五話「世界のために歌い続けるものたち」 「三等市民」の居留地を一直線に目指す人工知能戦車ウォーロックの傍に、同様に人工知能飛行艦ラストホープが降りてきた。 「ウォーロック、聞いてください。私の声がまだ聞こえるのなら、この歌を聴いてくだ…

STORMWORLD #24

第二十四話「作り出せたもの」 「結構な数の野菜が採れたんで、お前らにも分けに来たぜ」 「いつもありがとう。助かるわねー」 「感謝してるなら一回くらいはデートしてくれよ、ナディーン」 「そうね、そのうちにね」 アウター・ディレクトリのさらに外、名…

STORMWORLD #23

第二十三話「森羅万象を破壊せしもの」 「社長の快癒を、ただ祈っているだけの私ではない」 エンジニアリング部長フリーマンは、たった一台だけ残った戦車をバンカーから連れ出した。かつて世界を滅ぼした陸戦兵器の一つだ。その名は人工知能戦車ウォーロッ…

STORMWORLD #22

第二十二話「再起動」 「進捗はどうだ?」 「はい社長、自己修復装甲を備えているのもあり、ほぼ完全に修理は終わっています」 「ラストホープ号、こいつのおかげで、我々の誇り高きインナー・ディレクトリは壊滅したのだ。三等市民の分際で、神に盾突いた報…

STORMWORLD #21

最終話「希望は未来が見えないからこそ持てるんだよ」 残された人々は、核爆発により開いた、アウターディレクトリの壁の亀裂から外に出た。そこは行けども続く砂漠だったが、遠くから水の匂いがわずかにしていた。 きっと、そこに自分たちを待つ場所がある…

STORMWORLD #20

第二十話「空が落ちた日」 「ナディーン、高度が落ちてる!」 「今のは、核爆発!?」 「どんどん落ちてるよ!!」 「手動でスラスターを全開にして!早く!」 インペイラーが撃墜した核弾頭の空中爆発を受けたラストホープ号は大破し、墜落し始めていた。電…

STORMWORLD #19

第十九話「スターゲイザー」

STORMWORLD #18

第十八話「侵入」 ケリー・モーガンは、放棄された世界救済機構の端末を使い、メインサーバーに侵入しようとしていた。 「おそらく、一度でも失敗すればロックダウンされるわね。本来なら、こんな危ない橋は渡りたくないけど、このままケルビンを放置したら…

STORMWORLD #17

第十七話「ケルビン」 「オメガ、ハ戦闘不能ト、判断シマシタ」 「このクソロボット・・・」 「私ヲ挑発シナイホウガイイ。相方ハ、マダ息ガアリマス。ソシテ彼女ハ、人質トシテノ価値ガ、アリマス」 「何が望みだケルビン?」 「アナタガ【インナー・ディレ…

STORMWORLD #16

第十六話「アルファとオメガ」 「今度は負けないからね、姉さん」 「姉さんはあんたでしょ」 「おっと!」 「あっぶね!」 「い、いまのなに!?」

STORMWORLD #15

第十五話「マイケル」 「マイケル様に間違いはないです、ペイン様」 「残念ながら死亡を確認しました・・・」 「サイバネティクスとの適合ができなかったようだな。だが、予定よりも早く目覚めさせられたせいだろう。処理が完了していれば、マイケル様は完全…

STORMWORLD #14

第十四話「ラストホープ号」 「・・・というわけで、世界救済機構は壊滅したらしいわ」 「とんでもねえな」 「犯人は分かっていないけど、ただ一台だけ稼働している車両があるそう」 「ならそいつが犯人じゃねえか」 「まあ、そうね。ところで、今回の荷を手…

STORMWORLD #13

第十三話「鉄人ケルビン」 ケルビンは世界救済機構の調査車両を襲撃し、そこにマイケルの遺言通り、世界中の人工知能に、自分の人格をオーバーライドしようと試みた。 だが、人工知能体はそれほど単純ではなく、また愚かでもないため、その目論見は見破られ…

STORMWORLD #12

第十二話「パッカードの最期」 「おい、扉を開けろ!僕はパッカード社長の息子だぞ!」 「申し訳ございませんが、それはできません。恐れながら貴方様は感染しておられます。いかなる理由にせよ、保菌者をインナー・ディレクトリに入れることはできません」 …

STORMWORLD #11

第十一話「感染」 「身体がダルいな・・・なんだ、これ」 「真菌化ノ初期症状、ダト思ワレマス」 「真菌?なんだそれ?」 「パッカード・サマノ、オ身体ガ、ゾンビ化シテイル、トイウ意味デス」 「おい、待てよ、ふざけんなって。なんで僕がゾンビになるんだ…

STORMWORLD #10

第十話「追跡者」 「いないね、ミリセント」 「数日前ニハ、ココカラ発信ガアリマシタガ、移動シタヨウデス」 「めんどくさいな」 「ここに居たの?」 「ハイ、数時間前ニハ、ココニ居タヨウデス」 「なんで動き回ってんだよ、うぜえな」 「保菌者デス」 「…

STORMWORLD #09

第九話「パッカード」 「じゃ、行ってくるよ」 「お気をつけて、マイケルぼっちゃま」 「その名で呼ぶなと言っただろマギー。パッカード様と呼べ」 「本当に私が居なくても大丈夫ですか、パッカード様」 「うーん、ケルビンのメンテナンスは、もうたぶん僕で…

STORMWORLD #08

第八話「ミリセントの旅」 ミリセントは放棄された軍のキャンプを発見した。とはいえ、規模は小さく、せいぜい2-3人がいた程度のものだろう。白骨化した遺体がひとつ、砂に埋もれかけている。 「花がなくてゴメンね」 彼女は白骨を丁寧に埋葬した。 それは優…

STORMWORLD #07

第七話「ゾンビ」 ミリセントは廃墟の町を探索中、偶然そこにやってきていたゾンビの群れと遭遇してしまった。運の悪いことに、バイクのエンジン音に気づいたゾンビが、次々と集まってきた。 「もうバイクは諦めて逃げるしかないわね」 幸い、ゾンビはあまり…

STORMWORLD #06

第六話「ミリーとバイク」 ミリセントは古い街の廃墟で、一台のバイクと、水と食料も見つけた。 あと古ぼけたラジオも。 「まだ動きそう。燃料もあるし、ラジオも電池が入ってる」 ミリーはラジオのスイッチを入れた。 www.youtube.com 「こちら、移動放送局…

STORMWORLD #05

第五話「真菌の森」 「様子はどうだ」 「まだコロニーは小規模ですが、すでに活動状態にあります。このまま放置するのは危険かと・・・」 アウター・ディレクトリの、とある一角で、太古の昔に人類を滅ぼした、恐ろしい菌類の森が蘇りつつあった。それは人間…

STORMWORLD #04

第四話「アイ・オブ・ザ・ウォーデン」 「このまま進むと、死ぬか殺されるか、どっちかみたいね」 ケリーの目の前に聳え立つ巨大な門は、アウター・ディレクトリの出口であることはわかっていた。しかし、二つのレーザータレットが、訪れる者を無差別に焼き…

STORMWORLD #03

第三話「滅びた村」 「私はケリー・モーガン。犬のバスティアンと一緒に旅をしている。 一応、医療の心得はあるんだけど、それを試せる他人に出会ったことはまだない」 「人、だったものが二体。生きてる人は、ここにもいなさそうね」 ケリー・モーガンが立…

STORMWORLD #02

第二話「ザ・ウォール」 「俺はジョエル。この砂だらけの世界から出る方法を探して旅をしてる。 だが、世界の果てを、思ってたよりも早く見つけてしまったようだ」 ジョエルの目の前には、それほど高くはない壁が連なっている。工夫をすれば、越えられなくは…

STORMWORLD #01

第一話「目覚め」 「私はミリセント。ミリセント・グリーン。覚えているのは、それだけ」 ミリーは、廃材で作られた、かろうじて居住地と呼べる場所で目覚めた。 目覚める以前の記憶は何もなく、自分がなぜそこにいるのか、ここはどこなのか、何一つ思い出せ…

Zombasite:その荒削りな原石

今回はちょっと辛口ですが、本作の遊び方についての話になります。 記事のために画像を収録しつつプレイしているのですが、前回はゾンビの襲撃から、それに乗じた敵対勢力のレイドによって滅亡してしまいました。 収録用のデータとはいえ、けっこうマジメに…

Zombasite:ハクスラなのにポーションが売ってない

Zombasite第二回目は、筆者が実際に遭遇した大きな問題と、開発者が提示する、その意外な解決法についての話です。 単刀直入に申しますと、回復魔法のないクラスにとっての序盤攻略は、実はものすごく大変です。楽に進めたいのなら、自己回復(NPCに対しても)…

Zombasite:ハクスラとストラテジーの融合

今回の記事は、前回ご紹介させていただいたDin's Curseと同じデベロッパーの作品、Zombasiteです。 Din's Curseが概ねハクスラだけに特化していたのに対し、Zombasiteはもっと複雑な構造をしています。対ゾンビに備えた外交、探索、資源の採取やダンジョンの…

Din's Curse: 古典的ハクスラゲームの魅力

前回の毒舌記事みたいなものは、できればあんまり書かないようにしたいのもあり、今回はちゃんとDin's Curseの良いところ、面白い部分について解説したいと思います。 町は燃えているか 本作で採用されているゲームシステムは、基本的には普通のハクスラです…

インディーゲームの終焉と、未来への希望

インディーゲームを扱う、当Blogでこの話をするのは憚られますが、やはり言わないといけないと思うので、あえて記事にします。 わたしはインディーゲームというジャンルが広く認知された時点で、もうこの世界は終わりに近いと思っています。まだ未定義の、つ…