第十三話「鉄人ケルビン」
ケルビンは世界救済機構の調査車両を襲撃し、そこにマイケルの遺言通り、世界中の人工知能に、自分の人格をオーバーライドしようと試みた。
だが、人工知能体はそれほど単純ではなく、また愚かでもないため、その目論見は見破られ、ケルビンのアクセス権ははく奪され、またネットからも遮断されてしまった。
しかし、そこで諦めるケルビンではなかった。
自分の姿のままでは、やれることに限界があり、また移動能力に難があることを知っていたため、世界救済機構の調査車両をハッキングし、自分のメインプロトコルを移植したのである。つまり人格、人間でいえば魂に近いものを、その車に移したのだった。
ただ、彼の元の筐体も停止した。それはマイケルがケルビンを、唯一無二の友にしたかったために、そうプログラムしてあったからである。
はたして、どうなるのでしょうか。